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株は長期保有するべき?メリット・デメリット、おすすめ銘柄を紹介します

やさしい株のはじめ方編集部担当:やさしい株のはじめ方編集部

最終更新日:2023年11月30日

株は長期保有が基本」と言われます。頭では理解できても、「なぜ長期保有が良いのか」が理解できないと、株価の暴落など「不測の事態」が起きたときに、行動をまちがえてしまいます。

このコラムでは、長期保有のメリットやデメリットを紹介し、長期保有が基本となる理由を解説していきます。また、長期保有におすすめの銘柄を探す方法についても、株初心者向けにわかりやすく紹介します。ぜひ最後まで読んでみてください。

株を長期保有するべき理由

長期投資は「時間」を味方につけられます。そのため、株初心者におすすめの投資手法となります。

長期保有と反対の投資手法に、「短期売買(デイトレード)」があります。短期売買では、株価の動きを予想する能力や、株価の動きから裏側にある人間心理を読み取る能力などが必要です。

こういった能力は、身に着けるのがむずかしく、誰もができるわけではありません。適正がなければ失敗しますし、適正があっても巨額の資産を築けるのは上位数%の人間しかいないと言われています。短期投資はプロ中のプロしか成功できない世界なのです。

しかし、長期投資は私たちのような個人投資家でも、成功できる余地があります。長期投資は「時間」を味方につけられるからです。

実は、株価は「長期的に見ると会社の業績成長に合わせて上がっていく」という性質を持っています。そのため、安定的に成長している会社に投資すれば、長期的に株価の値上がり益を手に入れられるのです。

ここで、長期投資の成功事例を紹介しましょう。当サイトの管理人ひっきー(竹内弘樹)は、2008年にかつ丼店「かつや」を運営するアークランドサービスホールディングス(3085)へ投資し、2018年の年初まで保有していました。株価は10年間で約40倍になり、まさに長期投資の成功事例と言えるでしょう。同社のこれまでの業績と、株価の動きを見ていきます。

アークランドサービスホールディングス(3085)の売上高と営業利益の推移>

売上高と営業利益の推移

(出典:マネックス証券の銘柄スカウター)

同社は、2007年8年に東証ジャスダック(現、東証スタンダード)に上場しました。上場の前年から売上高が急成長しており、上場した2007年以降も大幅な成長が予想されていました。予想どおり、同社は上場後に安定して業績を伸ばしており、売上高(青色の棒グラフ)と営業利益(赤色の折れ線グラフ)は右肩上がりで増えています。

投資しはじめた後は、「当初想定していた成長シナリオから外れていないか?」を定期的にチェックする必要があります。管理人は、四半期ごとに発表される決算短信と、毎月発表される月次売上高出店数をチェックし、想定通りに成長しているかを見ていました。

売上高や利益のデータは、決算短信以外にもマネックス証券銘柄スカウターでもチェックできます。視覚的に見たい方は、証券会社のツールを検討してもよいでしょう。

アークランドサービスホールディングス(3085)の株価推移(20年間)>

アークランドサービスホールディングス(3085)の株価推移(20年間)

(出典:SBI証券

株価の推移を見てみましょう。上場以降の株価チャートを見ると、2008年当時から株価は大幅に上昇しています。株式分割を反映した管理人の平均取得価格は67円でしたが、利益確定した2018年の年初は2,682円となっています。株価が約40倍になった計算ですね。

2018年に売却した理由は、割安感がなくなってきたことに加え、投資した2008年から2018年までと比べて成長が鈍化してきたためです。これらは、毎月の月次売上高や四半期の決算短信を追い続けてきたからこそ、感じられたものだと言えます。

以上をまとめます。株価は業績の伸びに合わせて高まっていくものなので、「株式投資は長期投資が基本である」と言われています。そして長期投資では月次売上高や決算短信を定期的にチェックし、当初描いていた成長シナリオから外れていないかを見る必要があります。

今回紹介したアークランドサービスホールディングスの事例は、管理人ひっきーの成功事例の一部です。長期保有で資産を増やすために必要な考え方銘柄を選ぶ際のコツなどは、管理人の著書『本当に儲かる株・成長する株を自分で見つけられるようになる本』に詳しく書かれています。もっと学びたい方は、ぜひこちらの本を読んでみてください。

株を長期保有するメリット

メリットには、次の3点があります。

  • 株価チャートに張り付く必要がない
  • 無駄な手数料が発生しない
  • 暴落を味方につけることができる

株価チャートに張り付く必要がない

長期投資では、日々の株価の動きは気にする必要がありません

先ほどのアークランドサービスホールディングスを例に考えてみましょう。例えば、2008年に投資して2022年まで保有しているとします。14年投資し続けていると考えると、日々の数%の値動きは、とても小さなものであるとわかりますね。

短期売買と違い、一瞬の数円、数十円の動きを狙うものではないので、株価チャートに張り付く必要はありません。仕事をしているサラリーマンでも、十分に挑戦できます。

無駄な手数料が発生しない

長期投資では、一度投資したら数年~数十年持ち続けます。そのため、無駄な手数料は発生しません。

手数料は数十円程度の金額ですが、利益が少し出る度に利益を確定していると手数料総額はどんどん増えていってしまいます。その分だけ自分の利益が減ってしまうので、もったいない行動です。

その点、長期投資なら手数料を最小限に抑えられます。大切な自分のお金を無駄にしなくて済む点で、長期保有のメリットとして挙げられます。

暴落を味方につけることができる

一般的に暴落は「損失が出る」、「避けなければいけない」ものですが、長期投資には「うれしい状態」です。理由は、暴落のときに株を安く買えるからです。

長期投資は、数か月や1年で終わるものではありません。数年~数十年といった長い時間がかかるものです。そのため、仮に暴落で1か月株価が下がり続けたとしても、数年・数十年後からすれば小さなできごとでしかありません。

暴落時に安く株を買っておけば、その後の回復局面で大きな利益を得ることができます。例えば、2018年の世界同時株安では、株価が下落したときに買っておけば、その後利益が出ました。

ファーストリテイリング(9983)の株価推移(2018年10月1日~2018年11月15日)>

ファーストリテイリングの株価推移

(出典:SBI証券

このように、怖くて避けたい暴落を味方につけられるのが、長期投資のメリットなのです。

なお、暴落が来たときは、「会社の成長シナリオが崩れていないか?」を確認する必要があります。例えば、コロナショックのような経済・社会の状態が変化してしまう暴落では、これまでのように会社が成長できなくなる可能性があるからです。

詳しくは、日経平均が下落したら?暴落で株価が下がったときこそ、株をはじめる大チャンスで紹介しているので、こちらも併せてご覧ください。

長期保有のデメリット

デメリットは1つあります。それは「利益が出るのに時間がかかってしまう」点です。

長期投資では、数年~数十年の期間をかけて株価の上昇を狙います。そのため、数か月や数年間は、利益が出なかったり、マイナスになったりすることもあります。短期間で利益を出したい場合は、長期投資は向いていないので、注意が必要です。

長期保有で利益が出ないと、「売ったほうがいいのでは?」という考えになってきます。しかし、成長シナリオが崩れていない限りは、継続保有でOKです。すぐに利益が出るものではないことを、しっかりと覚えておいてください。

長期保有のおすすめ銘柄

長期保有では、成長バリュー株がおすすめです。具体的な銘柄は紹介できないので、今回は探し方を説明します。

長期投資に向いた成長バリュー株を選ぶ際は、「割安である収益性が高い売上高が安定的に伸びている」といったポイントを押さえる必要があります。

これに加えて、財務健全性など「倒産しない」銘柄を選ぶ条件を加えればよいでしょう。具体的には、以下のスクリーニング条件がおすすめです。

条件項目 内容
規模:小型株時価総額501位以下) 事業規模
PER:15倍以下 収益から見た割安性
ROE:10%以上 資金の効率性
自己資本比率:30%以上 財務健全性
過去3年平均売上高成長率:5%以上 成長性
売上高営業利益率:5%以上 収益性

スクリーニングは、SBI証券のスクリーニングツールがおすすめです。

スクリーニング条件を選ぶ

(出典:SBI証券

具体的なスクリーニング方法は、「株を探す際に、おすすめのスクリーニング条件を教えてください」で詳しく紹介しています。銘柄を探す際は、こちらのページを参考にしてみてください。

最後に、1点補足します。長期保有には成長バリュー株以外にも、高配当株も向いています。高配当株とは、株価に対して多くの配当金をもらえ、配当利回りが高い銘柄です。

高配当銘柄を探すときは、次の条件でスクリーニングするとよいでしょう。

  • 市場:東証プライム
  • 規模:大型株・中型株・小型株
  • 業種:すべて
  • 配当利回り3~4%

具体的なスクリーニングの手順は、「株初心者向け!“優良・安定”高配当株の探し方・見つけ方」で詳しく紹介しています。

まとめ

株は長期保有するべきか、長期保有のメリットとデメリットは何かについて説明してきました。長期保有は「時間」を味方にした投資法です。短期投資のような高度なテクニックは不要で、業績が安定している銘柄を長期保有することで、株価の上昇を狙います。

初心者や忙しいサラリーマンでも挑戦できる投資法です。利益が出るのに時間がかかるかもしれない点はデメリットですが、無駄な手数料を払わなくて済んだり暴落を味方にできたりするメリットがあります。

これから投資をはじめようと考えている方はもちろん、すでに投資しているけれど手法を迷っている方は、長期保有を考えてみてはいかがでしょうか。

やさしい株のはじめ方編集部

この記事の執筆者

やさしい株のはじめ方編集部 

FP2級や証券外務員二種、日本証券アナリスト協会検定会員補を持つ複数のメンバーが「株初心者の方に株式投資をわかりやすく理解していただく」をモットーに、記事を執筆しています。

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