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米国株(アメリカ株)の今後(2024年11月)の見通しと10月の振り返り
最終更新日:2024年12月7日
米国株市場の2024年10月の振り返りと、2024年11月の見通し、注目イベント、投資戦略についてご紹介します。
本記事のポイントは、次の3つです。
ポイント
- 10月の主要3指数揃って値下がり
- 11月、目先は米大統領選次第
- ソフトランディング期待などを背景に株価は値上がり基調を維持すると予想
2024年10月の振り返り
10月の米国株式市場は「ダウ工業株30種平均」と「S&P500」、「ナスダック総合株価指数」の主要3指数が揃って値下がりしました。月間ベースでは、ダウ平均が前月比1.2%安、S&P500は同0.9%安、ナスダック総合は0.3%安です。
米景気の底堅さを背景として大型ハイテク株へ投資マネーが回帰し、ナスダック総合は一時、3か月半ぶりに史上最高値を更新する場面が見られました。しかしながら、2024年第3四半期決算が本格化する中、大手ハイテクを中心に市場予想を上回れず、月末に売りに押される展開となります。
<ナスダック総合は3か月半ぶりに史上最高値を更新する場面も(年初来)>
出典:TradingView
S&P500セクター別の騰落率を見ると、「金融(2.7%高)」や「エネルギー(1.6%高)」が底堅く推移しました。一方、「ヘルスケア(4.9%安)」や「不動産(3.7%安)」の値下がりが目立ちました。
米連邦準備理事会(FRB)の軸足が雇用に移りつつある中、9月非農業部門の雇用者数は市場予想を大幅に上回り、失業率は4.1%に改善しました。9月小売売上高なども市場予想を上回ったほか、7~9月期の国内総生産(GDP)も高い伸びを示すなど、米経済の底堅さを示す結果となっています。
<失業率の推移(%)>
出典:セントルイス連銀
31日に公表された9月米個人消費支出(PCE)物価指数は、インフレ圧力の根強さを示すものとなりました。11月および12月の「米連邦公開市場委員会(FOMC)※1」でそれぞれ0.25%の利下げを実施するとの観測が高まっている状況です。
※1 FOMC(エフオーエムシー)とは、米国の金融政策を決定する会合のことです。日本日銀金融政策決定会合にあたります。
米金利先物の値動きから金融政策を予想する「CME FedWatchツール」によると、10月31日時点における11月のFOMCで0.25%の利下げを見込む確率は9割超、12月のFOMCでは7割超となっています。
<FedWatch(2024年12月)>
出典:CME Group
2024年11月の見通し
11月の米国株式市場は、目先は大統領選挙の結果に因りますが、景気のソフトランディングおよび利下げ進展期待などを下支えに、株価は値上がり基調を維持すると予想します。
10月30日に公表された7〜9月期GDPは前期比年率で2.8%増と高い伸びを示しました。2%程度とされる潜在成長率と比べると、米景気の底堅さを反映しています。
米アトランタ連銀が10月31日に更新した経済指標からGDPを予測する「GDPナウ」では、2024第4四半期の成長率が2.7%と、米経済は良好さを保つ見通しです。
企業業績面では、10月25日時点でS&P500構成銘柄のうち37%の企業が2024年第3四半期決算を終える中、1株あたり利益(EPS※2)は75%の企業が予想を上回っており、概ね良好な決算と言えるでしょう。
※2 EPSとは、「Earnings Per Share」の略で、企業の「収益力」と「成長力」を評価する際に使われる指標の1つで、1株あたりの利益がどれだけあるのかを示すものです。基本的に数値が高いほど企業の収益力は高いと見ることができます。
S&P500セクター別では、エネルギーが全11セクターの中で最大の減益率(前年同期比-27.3%)になる見込みです。ただし、2025年下期には2桁増益になると予想されています。
<S&P500エネルギーセクターのEPS成長率(2024年第3四半期、前年同期比)>
出典:FactSet
その他、情報技術やコミュニケーション・サービス、金融などがS&P500平均を上回るEPS成長率を上げる見込みとなっており、これらのセクターが市場をけん引するでしょう。
<S&P500セクター別のEPS成長率(2024年第3四半期、前年同期比)>
出典:FactSet
ただし、バリュエーション面を見ると、S&P500の株価収益率(PER※3、12か月フォワード)は21.7倍と、10年平均の18.1倍、5年平均の19.6倍と比べて割高な水準です。
※3 PER(ピーイーアール)とは、「Price Earnings Ratio」の略で、株価がEPSの何倍の価値になっているかを示すものです。一般的にPERの数字が大きいほどその株は割高、小さいほど割安と判断されます。
一部の割高な銘柄は市場の期待も高いことから、決算発表を受けて大きく売り込まれるケースが散見されていることには注意が必要でしょう。
注目イベント、投資戦略
11月の最大のビッグイベントが、5日に実施される「米大統領選挙」です。
米リアル・クリア・ポリティクスの集計によると、10月31日までの「トランプ対ハリス」の平均支持率は「48.4%対48.1%」と、僅差の接戦が続いています。
<トランプ氏とハリス氏の支持率およびポイント差>
出典:リアル・クリア・ポリティクスを基に筆者加筆、青がハリス氏、赤がトランプ氏
選挙結果を左右する激戦州「スイングステート」では、トランプ氏がやや優勢な州が多くなっている状況です。ただし、誤差の範囲内での大接戦であり、最後までどちらに転ぶかわからない展開となっています。
<スイングステート各州でのトランプ氏とハリス氏の支持率とポイント差>
出典:リアル・クリア・ポリティクスを基に筆者作成
米国株式は夏場にかけて調整する場面も見られましたが、大統領選後から年末にかけて値上がりすると予想されます。選挙の不透明感が解消するとともに、ソフトランディングおよび利下げ進展期待などが背景です。
大統領選4年サイクル(周期)における4年目のS&P500の月次リターンは、年後半に堅調に推移し、特に11月の選挙後に大きく値上がりする傾向です。米大統領選というビッグイベントを通過し、先行き不透明感から買い手控えていた投資家が株式市場に戻ってくることが想定できるでしょう。
トランプ氏が大統領に返り咲いた場合は、エネルギー、高所得者向け消費、仮想通貨などに加え、金融、ITなどに投資マネーが向かうと考えられます。一方、ハリス氏が勝利した場合、環境や低所得者向け消費、住宅関連などが選好されることが予想されます。
いずれの候補者が勝利した場合も、財政拡張的な政策が実施されることで、金利が上がる可能性が高まる見込みです。その場合、割安感のあるエネルギーや金融などバリュー株が選好される可能性が高まるでしょう。
さらに、製造業のリショアリング(国内回帰)や防衛などは、両氏に共通して投資マネーの流入が期待できるセクターです。
<トランプ氏勝利で値上がりが期待できるセクター>
<ハリス氏勝利で値上がりが期待できるセクター>
<両氏共通>
上下両院とも共和党が握る「トリプルレッド」もしくは民主党が握る「トリプルブルー」となった際には、より法案を通し、政策を進めやすくなるでしょう。ただし、接戦が予想される中で選挙結果の判明が遅れる場合、その間の株価が弱含む可能性があることには注意が必要です。
その他の経済指標としては、1日の雇用統計、ISM製造業景況感指数、5日のISM非製造業景況感指数、7日のFOMC、13日のCPI、15日の小売売上高、26日のFOMC議事要旨、27日の個人消費支出(PCE)などの発表が予定されています。
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まとめ
10月の米国株式市場は、大型ハイテク株へ投資マネーが回帰する流れとなりました。S&P500セクター別の騰落率を見ると、「金融」や「エネルギー」が底堅く推移しています。
FOMCで0.25%の利下げが年内2回実施されるとの観測が高まっており、利下げや景気のソフトランディング期待から値上がり基調の維持が見込まれます。
11月の米国株式市場は、5日に実施される「米大統領選挙」に注目です。不透明感の解消により、大統領選後から年末にかけて値上がりが予想されます。