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未成年口座のメリット・デメリットとは?ジュニアNISAについても解説
未成年口座とは、0歳~17歳までの未成年の方が作れる証券口座のことです。
子ども用の証券口座で教育資金を運用したい方や、若いうちから投資の勉強をして資産運用をしたい方など、未成年口座に興味のある方は多いですよね。そこで、未成年口座のメリット・デメリットを、それぞれ詳しく解説します。
また、未成年口座ではジュニアNISAという制度を利用できますが、利用「する場合」と「しない場合」の違いについても解説するので、ジュニアNISA口座を開設しようか迷っている方も、ぜひ参考にしてください。
未成年口座のメリット
未成年口座のメリットは次の4つがあります。
それぞれ詳しく解説していきます。
メリット① ジュニアNISAが使える
ジュニアNISAは、未成年口座でNISAを利用できる制度です。ジュニアNISAを利用すれば、年間80万円までの取引で得た利益が非課税になります。
ただし、「損失を出した場合に損益通算ができない」、「原則18歳まで引き出しができない」などのデメリットもあるので、ジュニアNISA口座を利用するかどうかはしっかり考えた方がいいでしょう。
詳しくは「ジュニアNISA(ニーサ)とは?」を参考にしてください。
メリット② 手数料無料で取引できる
次の7社は、未成年口座での売買手数料が無料です。ジュニアNISA口座のみ無料になる証券会社もあるので、事前に確認しておきましょう。
証券会社 | 種類 | ネット証券 詳細情報へ |
|
---|---|---|---|
未成年口座 | ジュニアNISA口座 | ||
松井証券 | 完全無料 | 完全無料 | |
auカブコム証券 | 完全無料 | 完全無料 | |
SBI証券 | 完全無料 | 完全無料 | |
岡三オンライン | 実質無料※1 | 完全無料 | |
楽天証券 | 成年口座の手数料と同じ | 実質無料※2 | |
DMM株 | なし | 実質無料※1 | |
岩井コスモ証券 | なし | 実質無料※1 |
※1 使った手数料が翌月キャッシュバックされます。
※2 注文時点では手数料を含んだ資金を余力から仮拘束され、約定日の夕方メンテナンス後に手数料分が口座に戻ります。
上記の証券会社であれば、手数料を抑えられるのでおすすめです。特におすすめなのは、未成年口座もジュニアNISA口座も手数料が完全無料になる、松井証券、auカブコム証券、SBI証券の3社です。
また、7社のうち楽天証券以外の6社は、未成年口座から成年口座に切り替わっても、25歳まで手数料が無料になります。
メリット③ IPOの当選確率を上げられる
未成年口座も、IPO(新規公開株)に申し込むことができます。そのため、親子で複数の口座を作っておけば、口座の数だけ申し込みができるので、当選確率を上げられるでしょう。
ただし、IPOに申し込みをする口座の数だけ資金を準備しておく必要があるので、拘束される資金が多くなってしまいます。また、「入金額」や「取引状況」などで優遇されたり、そもそもIPOの取扱件数が少なかったり、証券会社によっては当選確率を上げられません。
次の表で各証券会社を比較しているので、IPO当選確率を上げたい方は参考にしてください。
証券会社 (公式サイトへ) |
取扱い数 (2024年) |
口座数 (ライバル) |
事前入金 なしで抽選 |
IPO抽選方法 + 詳細情報へ |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | 76社 |
1,331万※3 |
60%完全抽選 |
|
マネックス証券 | 50社 |
268万 |
100%完全平等抽選 |
|
SMBC日興証券 | 52社 |
396万 |
10%完全平等抽選 |
|
松井証券 | 55社 |
159万 |
70%完全平等抽選 |
|
GMOクリック証券 | 0社 |
53万 |
100%完全平等抽選 |
|
大和証券 | 37社 |
341万 |
10%完全平等抽選 |
|
岡三オンライン | 49社 |
41万 |
10%完全平等抽選 |
|
SBIネオトレード証券 | 23社 |
少 |
10%完全平等抽選 |
|
大和コネクト証券(旧CONNECT) | 37社 |
少 |
70%完全平等抽選 |
|
DMM株 | 10社 |
少 |
100%完全平等抽選 |
|
楽天証券 | 54社 |
1,200万 |
100%完全抽選 |
|
auカブコム証券 | 20社 |
178万 |
10%完全平等抽選 |
(2024年12月現在)
※3 SBI証券単体の口座数は非公開なので、SBIグループ全体の口座数を記載しています。
特におすすめなのはSBI証券です。2024年のIPO取扱数は、IPOをおこなった全86社(REITをのぞく)のうち76社と、ほぼすべてのIPO銘柄が取り扱われました。
さらに、SBI証券はIPOチャレンジポイントという独自の抽選方法を採用しています。抽選にハズれても1ポイント貯まり、ポイントが貯まるほど当選確率が上がるお得な抽選方法です。長い目で見ると、いつか必ず当選する仕組みになっています。IPO投資をするならマストで口座開設しておきたい証券会社です。
また、松井証券、岡三オンライン、野村證券、DMM株、SBIネオトレード証券の5社は、抽選に申し込む際、事前入金が不要です。資金拘束なしでIPOに申し込めるので、まとめて口座開設しておくと、IPOの当選確率を大幅に上げられます。
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口座開設料・年会費などは一切かかりません。
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メリット④ 金融や経済の勉強ができる
未成年の若いうちから株式投資をはじめることで、金融や経済の勉強ができるのは、未成年者自身のメリットと言えるでしょう。数千円~数万円の少額投資でも、経済のニュースに興味が出て、少しずつ掲載の仕組みがわかり、世の中でお金がどのように動いているのかが見えてきます。
投資で儲けを出して資産を増やすのは、社会に出てお金を稼ぐようになってからが本番です。まずは「経済の勉強をする」という目的で、少額から株式投資をはじめてみてはいかがでしょうか。
「100円程度の少額投資って意味ないですか?」、「こどもが投資をはじめるには、何を勉強すればよいですか?」の記事も参考にしてみてください。
未成年口座のデメリット
未成年口座のデメリットは、次の2つが考えられます。
それぞれ詳しく解説します。
デメリット① 口座開設に条件や書類が必要
未成年口座を開設する場合、次の条件と書類が必要です。
条件 | ・0歳~17歳であること ・未婚であること ・親権者も同じ証券口座を持っていること ・未成年者本人、親権者がどちらも国内在住であること |
---|---|
必要書類 | ・親権者のご署名・ご捺印がある同意書 ・親権者と本人の関係がわかる書類(住民票など) ・未成年者本人の本人確認書類 ・未成年者本人のマイナンバー |
このように、「同意書」や「親権者と本人の関係がわかる書類」など、成年口座では必要ない書類を用意する必要があります。未成年者の方が証券口座を開設したい場合は、親御さんの協力が必要不可欠です。
上に挙げた以外にも、証券会社によってルールが細かく決められているので、口座開設の際は規約をしっかり確認してください。
デメリット② 信用取引ができない
どの証券会社も、未成年口座での信用取引はできません。信用取引は、自分の資金や株式などを担保(たんぽ)にして、証券会社からお金を借りて投資することです。
信用取引に興味がある未成年の方は、18歳になるまで待つ必要があります。親御さん目線では、お子さんが信用取引をする可能性がなくなるので、むしろメリットと言えるかもしれません。
ジュニアNISAを利用「する場合」と「しない場合」の違い
0歳~17歳の方の証券口座を作りたい場合は、未成年口座を開設する際に「ジュニアNISA口座」を開設するかしないか決める必要があります。
口座開設後にジュニアNISA口座を作ることもできますが、利用する場合としない場合で、どのような違いがあるかは把握しておきたいですよね。次の表にまとめてあるので、参考にしてください。
項目 | ジュニアNISA | |
---|---|---|
利用する場合 | 利用しない場合 | |
所得税 | 非課税 (年間取引額80万円まで) |
20.315% |
損益通算 | できない | できる |
運用できる期間 | 2023年12月末まで※4 | 制限なし |
※4 2024年1月以降も、申請をすれば継続できます。詳しくは証券会社にご確認ください
ジュニアNISAは年間取引額80万円までで得た利益は、非課税になります。ただし、所得税が優遇される代わりに「損益通算ができない」、「18歳になるまで出金できない」などのデメリットもあります。
そのため、長期投資や貯蓄を目的として未成年口座を開設する方は、ジュニアNISAの利用がおすすめです。
一方、いつでも自由に出金したい方は、ジュニアNISAは利用しないほうがいいでしょう。もしジュニアNISAで運用途中に資金を引き出す場合、これまでの非課税枠で得た利益すべてに対して課税されます。ジュニアNISA口座で運用をはじめたなら、18歳になるまで出金しないようにしましょう。
ただし、ジュニアNISAは2023年12月末に廃止されるので、2024年1月以降であれば18歳未満でも途中引き出しができます。そのため、2021年~2023年までの非課税枠240万円(3年分)を使い、2024年1月以降に資金を出金することもできるので、2023年12月末まで待てるのであれば問題ありません。
ジュニアNISA廃止後のルールは細かくしていされているので、必ず金融庁や証券会社のページも確認してください。ジュニアNISAでについてさらに詳しい情報は、「ジュニアNISA(ニーサ)とは?」で解説しています。
まとめ
このコラムでは、未成年口座のメリット・デメリットや、ジュニアNISAについて解説しました。
複数の証券会社で売買手数料が無料になったり、ジュニアNISAを利用すれば年間80万円までの非課税枠を使えたり、メリットが多いです。また、家族で証券口座をたくさん作っておくことで、IPOの当選確率を上げることもできます。お子さんの口座を作りたい方は、複数口座作っておいてもいいでしょう。
また、若いうちから株式投資に興味がある未成年の方は、親御さんの同意を得て証券口座を作り、まずは少額から投資をはじめてみてはいかがでしょうか。「未成年口座を開設できるおすすめの証券会社」で、おすすめの証券会社を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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