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FOMC(2022年11月)の結果発表!プロが注目する2つのポイントを解説

まゆ担当:まゆ

最終更新日:2022年11月4日

2022年11月1日~2日(日本時間では11月3日午前3時)にかけて、アメリカでFOMC(エフオーエムシー)が開催されました。

FOMCは「Federal Open Market Committee」の略で、日本語では「連邦公開市場委員会」と呼ばれます。アメリカの金融政策について話し合われており、金利の動向を巡って世界中の投資家が注目している会議です。

今回は、FOMCの2つの注目ポイントと、それぞれ結果はどうだったのかを教えてもらいました。11月のFOMCの結果を受けて、プロの投資家は今後の市場をどう見ているのか知りたい方は、ぜひチェックしてください!

FOMC(2022年11月)の2つの注目ポイント

ひっきーさん!11月1日~2日にかけてFOMCが開催されていますよね。今回のFOMCはどこに注目すればよいでしょうか?

はてなまゆ

指さしひっきー

私は次の2つのポイントに注目しています!

利上げ幅縮小…ターミナルレート…。よくわかりません!

アセアセまゆ

指さしひっきー

かんたんにいうと「景気をどうやってコントロールするのか」を見ているわけです。そして、景気のコントロールは、お金を借りるときに発生する「利子(=金利)」でおこなっているんです。

なるほど!景気と金利の関係は、以前のFOMCが発表されたときに教えてもらいました。景気が良いときは金利を上げて、逆に悪いときは金利を下げるんですよね。

ひらめきまゆ

景気と金利の関係
景気 金利 理由
良い 引き上げ 景気の過熱を防ぐため、金利を上げて市場に出回るお金を減らす
悪い 引き下げ 景気の悪化を食い止めるため、金利を下げて市場に出回るお金を増やす

指さしひっきー

はい、バッチリです!2022年11月現在、世界中で物価が上昇して、景気が過熱していると判断されているので、金利は上がり続けています。今回のFOMCでは、金利がどのくらい上がるのか(利上げ幅)に注目しましょう。

注目ポイント① 12月FOMCでの利上げ幅縮小を示唆するコメントがあるか?

10月21日、アメリカの大手新聞社WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)の記者ニック・ティラミオス氏が「12月FOMCでは0.5%の利上げが議論される」という内容のツイートと記事を公開しました。10月FOMCまでは0.75%の利上げ幅だったので、利上げ幅が0.25pt縮小されるという内容です。

利上げ幅が縮小されれば、景気後退のリスクが小さくなります。これによって、企業の業績が悪化するリスクも小さくなるため、株価にとってはプラスの材料です。実際、このツイートが投稿されたあと、株式市場は上昇しました。

<NYダウの推移(10日間)>

NYダウの推移(10日間)

(出典:SBI証券

株式市場では「12月FOMCでの利上げ幅縮小」を織り込んでいるため、11月FOMCで利上げ幅縮小を匂わせるコメントが出るかどうかがポイントとなります。

もし利上げ幅縮小に関するコメントがされれば、株式市場はさらに上昇する可能性が高いでしょう。一方、利上げ幅縮小に関するコメントがなかったり、これをけん制するコメントがされたりした場合は、株式市場は下落すると考えられます。

注目ポイント② ターミナルレートがどうなるか?

まずは、「ターミナルレート」について説明します。ターミナルレートは「FRBが金利を引き上げる際の上限値」のことです。FRBは金融政策のベンチマークとして「FF金利(フェデラルファンド金利)」を使っており、景気をコントロールするために「この数値までは金利を上げる」という上限値を決めています。

ターミナルレートと景気の関係性を整理すると、下のようになります。

ターミナルレートと景気の関係
景気状況 ターミナルレート 目的
過熱 ニュートラルレートより高く設定 さらなる景気過熱を防ぐ
冷え込み ニュートラルレートより低く設定 景気の持ち直しを図る

ここで「ニュートラルレート」という新しい単語が出てきました。これは日本語で「中立金利」と呼ばれるものです。景気を過熱させたり冷え込ませたりしない水準の金利を指して、このように言われます。

指さしひっきー

ニュートラルレートを基準にしてターミナルレートを高くするのか低くするのかによって、景気をコントロールできるってことです!

現在のターミナルレートは4.6%(2022年9月のFOMC時点)と言われていますが、次の4つの数値が上昇したことから、引き上げられる可能性が高いと見られています。

指数 数値 比較
コアCPI(2022年9月) 6.6% 市場予想6.5%を0.1%上回った
ミシガン大学
消費者信頼感指数
(2022年10月)
確報値 59.8 前月の58.6から1.2上昇
1年先の
インフレ期待
5.1% 前月の4.7%から0.4%上昇
5年先の
インフレ期待
2.9% 前月の2.7%から0.2%上昇

これらの数値は「物価の上昇が続いている」ことを示しているため、景気の過熱が続いていると判断され、ターミナルレートは5%近くに引き上げられると予想されています。世界有数の銀行であるBNPパリバの見立てでは、市場予想よりも高い5.25%になるとのこと。

また、WSJのニック氏が自身のTwitterで「ターミナルレートが引き上げられるかもしれない」と発言したことも、ターミナルレートの行方に注目が集まる理由の1つになっています。

株式市場は、ターミナルレートが引き上げられれば下落、引き上げがなければ上昇となるでしょう。

FOMC(2022年11月)の結果発表!見方をわかりやすく解説

日本時間で11月3日の未明、11月FOMCの結果が発表されました。発表前に紹介した2つの注目ポイントは、次の結果になりました。

注目ポイント 結果
① 12月FOMCでの利上げ幅縮小を示唆するコメントがあるか? 利上げ幅縮小を示唆
② ターミナルレートがどうなるか? 引き上げの可能性あり

それぞれ詳しく見ていきましょう。

結果① 利上げ幅縮小を示唆

1つ目の注目ポイント「12月FOMCでの利上げ幅縮小を示唆するコメントがあるか?」の結果は「12月FOMC以降での利上げ幅縮小を示唆するコメントがあった」です。

あくまで12月FOMC以降での実施を示すものであり、明確な実施時期については言及されませんでした。12月FOMCでは利上げ幅縮小の議論をするとのことなので、近い将来に利上げ幅が縮小される可能性があります。

かんたんに解説するので、FOMCの声明要旨を見ていきましょう。

将来の利上げペースを決めるにあたり、FOMCは累積した金融引き締め、金融政策が経済活動やインフレに影響を与える時間差、経済・金融情勢を考慮する。

出典:日本経済新聞「FOMC声明要旨 「利上げ、政策浸透の時間差考慮」

声明要旨をかみ砕いて説明すると、利上げの影響が出るまでにタイムラグがあるため、今後発表される経済指標を見ながら利上げペースを決めていくという内容です。

通常、利上げの影響が表れるまで、半年から2年ほどかかると言われています。FRBは、これまで急ピッチで利上げを進めてきたため、時間差で景気が大幅に悪くなる「オーバーキル」を意識しているようです。

指さしひっきー

さまざまな経済指標が景気後退を示せば、利上げ幅の縮小をするかもしれない、ということですね!このニュースは株式市場にとってはプラスに働きます。

結果② ターミナルレート引き上げの可能性あり

2つ目の注目ポイント「ターミナルレートがどうなるか?」の結果は「引き上げの可能性あり」です。ターミナルレートについては、下のように語られました。

その上で23年中に4.6%とした9月会合での金利見通しについて「最近のデータを踏まえれば、最終的な金利はより高くなる」との見解を示した。

出典:日本経済新聞「FRB、0.75%利上げ 減速示唆も到達水準は「より高く」

このように、ターミナルレートの引き上げの可能性が示されたのです。ターミナルレートが引き上げられるということは、その分だけ株式市場が待ち望んでいる「利上げの停止」が遠のくため、株式市場にとってはマイナスのニュースです。

利上げ幅は縮小するかもしれないものの、ターミナルレートは引き上げるという、株式市場の投資家にとってプラスとマイナスが入り混じる結果となりました。

指さしひっきー

FRBとしては、景気の大幅な悪化を避けるために利上げ幅を縮小する準備をしつつ、インフレを撲滅する目的を果たすためには長期間の利上げが必要ということを市場に示したようです。

FOMC(2022年11月)後に株式市場はどう反応した?

アメリカのNYダウと日本の日経平均株価について、11月FOMC後の反応を見ていきましょう。

<NYダウの推移(2日間)>

NYダウの推移(10日間)

(出典:SBI証券

アメリカ時間11月2日14:00から、FOMCの結果発表がおこなわれました。今回の利上げ幅0.75%は織り込み済みでしたが、ターミナルレートの引き上げが意識され、NYダウは大幅に下落しました。

<日経平均株価(2日間)>

NYダウの推移(10日間)

(出典:SBI証券

FOMC結果発表がおこなわれた11月3日は祝日だったため、4日の日経平均株価にFOMCの結果発表が織り込まれ、大幅に下落しています。

びっくりひっきー

11月4日の11:00現在、上場銘柄の4分の3ほどが下落しています。

FOMCで株価が下落!プロおすすめの対応法は?

11月FOMCの結果の影響で、株式市場が全体的に下落しています。「怖いから株を売ってしまいたい」という気持ちと、「安いから買い増ししたい」という気持ちが半々なんですが、こういう場合ってどう対処すればいいんでしょう?

はてなまゆ

指さしひっきー

株式市場全体の下落であり、個別銘柄が悪いわけではありません。継続保有買い増し新規購入で対応すれば良いでしょう!

なるほど~。保有株が下がっているのを見るのはつらいですが、こういう時に継続保有や買い増し、新規購入できる余裕が必要なんですね!ちなみに、「こういう株がねらい目!」というのはありますか?

ひらめきまゆ

指さしひっきー

会社が持っている価値よりも安い銘柄ですね!わかりやすいところだと、これまでのPERと比べて大きく下がっている場合はお得だと思います。これは松井証券のツール「マーケットラボ」の機能でヒストリカルPERを確認するのがおすすめです。

<中央自動車工業(8117)のヒストリカルPER>

中央自動車工業(8117)のヒストリカルPER

(出典:松井証券

指さしひっきー

そのほか、株価が下がったことで配当利回りが高くなっているので、高配当株を買うのも良いかもしれませんね!まゆさんが持っている石油資源開発(1662)は、配当利回り5%以上と高いので、現時点では高配当株として持っていてもおもしろいと思いますよ!

なるほど!配当利回りを重視して買ったことがないので、これを機に高配当株投資に挑戦するのも良さそうですね!

ひらめきまゆ

まとめ

とにかく金利の動きが大事なFOMC。今回のFOMC(2022年11月)の結果は、利上げ幅は縮小するかもしれないけど、ターミナルレートは引き上げるという、投資家にとってプラスでもありマイナスでもある内容でした。

市場全体はかなり下落しているけど、個別銘柄が悪いわけではないので、買い増しや新規購入のチャンスと捉えて銘柄を探してみます。高配当株投資にもチャレンジしてみようかな?またポートフォリオに動きがあったら、記事やSNSで報告しますね~!

TwitterInstagramでも、投資に役立つ情報や運用成績を発信しています。今回の記事が役に立った、タメになったと思ってくれた方は、ぜひフォローしてくださいね!

指さしまゆ

過去の運用実績(2022年5月~11月まで)

運用報告ページ 資産評価額(前週比)
【2022年5月4週目】
はじめて株を買いました!
100,778円
運用報告ページ 資産評価額(前週比)
【2022年7月1週目】
景気後退懸念で株価下落・下方修正発表と大変な1週間でした
103,226円(▲3.9%
【2022年7月2週目】
はじめての損切り
136,676円+6.4%
【2022年7月3週目】
不動産テックの銘柄を購入!
137,788円(+7.2%
【2022年7月4週目】
セーフィーがすごいので買い増しをしました!
138,740円(+7.9%
【2022年7月5週目】
ゲンキーの最新決算を分析!
166,234円+3.9%

※ 30,000円入金したため、資産評価額が大きく増えています。前週比の増減は修正ディーツ法で計算しています。

運用報告ページ 資産評価額(前週比)
2022年12月1週目 287,760円(+2.8%
2022年12月2週目 287,715円(▲45円
2022年12月3週目 285,037円(▲2,678円
2022年12月4週目 274,282円(▲10,755円
2022年12月5週目 335,997円+11,715円

※ 30,000円入金したため、資産評価額が大きく増えています。前週比の増減はディーツ法で計算しています。

まゆ

この記事の執筆者

まゆ 

名古屋の新卒OLで、投資初心者です。「やさしい株のはじめ方」で株を勉強して、10万円を10年で1,000万円に増やせるか挑戦中!

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